2013年10月
2013年10月10日(木)日経産業新聞1面に掲載されました!
再生医療分野:培養細胞シートを患部へ移動出来る追従性と柔軟性を持った運搬用キャリア材料の開発に成功!
培養細胞シート運搬用キャリア材料
「ATTRAN アトラン®」新開発
日本国特許第5320501号取得・国際特許出願中
当社は生体への安全性を有するポリ乳酸不織布等に特殊ポリマーを塗布する事で高い柔軟性を保ちつつ、細胞シートへの高い追従性も有する培養細胞シート運搬用キャリア材料を開発しました。
「培養細胞シート用キャリア材料」とは:
シャーレ等で培養された幹細胞シート(iPS細胞等含む)の厚みは50μmから100μm程度と薄い為、培養皿から細胞シート単体を剥離し、患部に移動するまでに破れ、シワや折れを生じる事があります。
それを防ぐ為、細胞シートを培養皿から剥離・回収し、患部に移動する材料として用います。
開発背景:
現在多くに使用されている既存キャリア材料はセルロース系単体であり、硬く、特に曲面等への追従性が乏しい事から、細胞シートとの密着や剥離に伴う時間を要し、細胞シート自体の乾燥を招くだけでなく、うまく患部へ適用できないことが問題となっていました。
弊社はこれまで電子・絶縁材料及び特殊包装材料製造で培った塗工・混練技術をベースに、再生医療分野におけるキャリア材料の問題解決を図りました。
開発成果:
この研究開発において東京農工大学大学院・田中あかね教授との共同研究において基礎研究及び動物を用いた生体への安全性評価試験を進めて参りました。
今回、弊社開発品キャリア材料は生体への安全性を有するポリ乳酸不織布等に特殊ポリマーを塗布する事で高い柔軟性を保ちつつ、従来に無い細胞シートへの高い追従性も有し、剥離に要する時間は従来品(セルロース系)の約1/2に短縮する事も可能となりました。
※当社比
今後の販売について:
2013年10月、培養細胞研究機関等へ研究用として25mmφタイプの販売開始予定。
PDFはこちら» ATTRAN アトラン®
本件に関するお問い合わせは・・・
ニッカン工業株式会社
複合材料営業部
開発担当部長 渡邉 潤
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